経済的DVとは、最近少しずつ耳にするようになってきた言葉かも知れませんが、
特に確定した定義があるわけではありません。
ただ、例えば、自分はロクに仕事もしないで、
妻の稼ぎをあてにして、
「金をよこせ」などと怒鳴ったり暴れたり、妻の稼ぎを強制的に取り上げて妻には生活費も渡さないとか、
このようなものが経済的DVに該当することは間違いありません。
このような行為は、夫婦間だからそれほど、取り沙汰されないのかもしれないですが、
第三者との間で行われれば、強要、恐喝、強盗などの刑法犯を構成するような行為です。
もともと、DVという概念は、
それまでは、夫婦間(家庭内)のことだからということで、
家庭内の暴力等になかなか警察や司法の裁きが及ばなかったものを
夫婦間(家庭内)にまで押し及ぼすためのものですから、
このような典型的な経済的DVについても今後ますます問題とされていく傾向になると思われます。
そもそも生活費を渡さないで実家に借りにいかせたり、
妻名義で借金させたり、
食費にも満たないような生活費しか渡さず、それでやりくりしないと怒鳴り散らすとか、
とにかく客観的にそれでは無理だろうと思われる経済状態を強いるのは、「経済的DV」です。
また、稼ぎがあるのに渡さないだけでなく、
ろくに仕事をしようとしない、あるいは、求職活動をしないというのも含まれますし、
仕事についても「合わない」「きつい」「気にくわない」などと、
なんだかんだ言ってすぐ辞めてしまうことを繰り返すのも同様です。
妻が稼ぎに行き、夫が家庭の面倒を見るという形態があっても、
もちろん、それは各家庭の夫婦生活のあり方の問題ですから、自由です。
ところが、妻が働きに出ているにもかかわらず、
夫は仕事も家事も一切しない、ということであれば、
当然妻が、家に帰って、夕食の支度・洗濯・子供の面倒等々行うことになります。
これでは、公平な分担になりませんし、
そもそも、夫は家で一体何をしているのかということになります。
妻から見れば、子供が1人増えたようなもので、とてもやっていけません。